シルクの募集方法で特徴的なのは実績制度です。
実績制度とは過去3年間の出資額の合計を出資実績とし、その額の大きい人から優先的に出資が決まる制度です。
賛否の多い制度であり、私もこのブログで何度か苦言を書いてきました。
私の意見の基本にあるのは、シルクは500口のクラブだということです。
なぜ、500口という一口馬主クラブの中でも大きな口数なのかと言えば、それだけ分母を広げることで一口当たりの価格が下がり、幅広く多くの人が出資できるという庶民的なクラブだからなのです。
そういう庶民的な500口クラブと出資実績の多いお金持ちが優遇される実績制度とは相反する思想なのです。
ただ、この制度になって既にかなり経ち、今年も変更はなさそうです。
おそらく急に止めることもないはずなので、しばらくは付き合っていかなければなりません。
今ある制度の中でいかにうまく立ち回れるかを模索していきます。
今回はその実績制度を含めたシルクの募集制度の歴史を見ながら考えていきたいと思います。
シルクの実績制度ができたの2013年の「アベノシルク」というアベノミクスをもじったシルクの大改革の一環として登場しました。
アベノシルクは、ホームページのリニューアル、実績制度、5%ポイント還元、色々な分配金の改正、募集馬の質のアップ、ラウンジの設置、100口馬の導入などなど様々な改革がありました。
特にノーザンと提携後、ノーザンファーム生産馬が増えていた中、この年から一気にその割合が半分以上になり馬の血統的な質は格段に上がりました。
そして、そんな改革の中私もシルクに入会したのです。
私は、この世代の途中入会なので1次から参加していたわけではありません。
なので多少不確実な部分もあるかもしれませんがご了承ください。
そんな、改革の中、始めて登場した実績制度はどのようなものだったのでしょうか?
2013年の募集方法は、3年実績400口+100口分は電話申し込みで先着順で実績には当年の申し込み分も含むというものでした。
100口は電話で先着順というのがなんともアナログと言いますがシルクらしい感じがしますよね。
申し込みも最大20口まででした。
そういう制度の中、電話も含めて1次で満口になったのは13頭。
1次と言っても電話申し込みも含めてなので実際は今でいう通常募集開始を含めての満口だと思います。
当時の有名ブロガーさんの記事を見てみましたが特に荒れたり問題になっている感じはありませんでしたね。
つまり、まだこの頃は実績制度ができようとそこまで会員数も人気もなかったので欲しい馬に申し込めばほとんど取れた時代と言えます。
私が入会したのがこの世代の募集が始まった翌年の3月で、その時まだたくさんの馬が残っておりメジロドーベルの12に出資できたくらいです。
今なら売れ残っているような血統ではありませんからね。
しかし、翌年その不満が爆発します。
2014年も同じ実績制度でしたが、残りの100口分が電話先着ではなく抽選になりました。
申し込みは最大10口となりました。
その結果、1次では12頭が満口となり、多数の落選者がでました。
私は満口にならなかった馬以外、申し込んだ馬が全滅しかなり落ち込みましたね。
特に300万以上の実績の方が落選したというブログなどで書かれていたことで不満がより大きくなりました。
ブラックエンブレムの13やパーシステントリーの13、ディアジーナの13など数百万の実績が必要だったという話が広がっていき掲示板やブログなどで実績制度に対する不満が広がりました。
当時は必要実績の発表がなく、会報のコラムで少し書かれていた程度でした。
この年、初めてこの実績制度の怖さを知ったのです。
特に不満が多かったのが当年実績を含めるという部分でしたね。
新規でもいきなり高額申し込みをすれば実績に含まれるため、大量の申し込みをする新規が現れ、結果的に例をみないくらいのキャンセル再募集が出たのもこの年です。
また、人気馬に落選前提で実績目的で申し込む方法も編み出され問題となりました。
それに加えて100口の抽選部分に関してもかなり問題があり、新規優遇と騒がれるほどなぜか新規の当選者が多くいたことも話題になりました。
落選者の多かった人気馬の掲示板に新規で当選しましたという書き込みが多くそれが発端となりました。
このように、この年からシルク自体の会員数の増加などもあり、欲しい馬が取りにくくなり実績制度、抽選制度どちらにも不満が噴出した年でした。
ただ、今から見れば満口馬もたった12頭であり、それ以外は好き放題申し込めました。
そう考えるとまだまだゆとりのあった時代でしたね。
2015年からは少し変更がされました。
前年大きな問題となった実績制度ですが、実績300口、抽選200口に変更されました。
そして、特に問題の多かった当年実績を含むという部分が無くなり、過去3年間の実績のみが考慮されることになりました。
また、抽選部分が最大5口までとなり少しでも当たりやすくする方策がとられました。
それ以外にも100口募集がひっそりと終了しました。
今と同じような制度になりましたね。
この年1次満口になったのは19頭。
私は1番欲しかったフサイチエアデールの13が当選し前年の全落から復活しました。
必要実績はこの時もまだ発表はありませんのでわかりません。
制度が修正されたこと、そしてシルクでも落ちるのが当たり前という認識が去年の経験からわかっていたことでそこまで大きな不満は出なかったように感じます。
1次満口馬は3分の1近く出るようになり、だんだんと様子見の難しいクラブになってはいましたが、まだまだ残っている馬も多かったですね。
2016年、制度的な大きな変更はありません。
シルク最強世代と言われるアーモンドアイやブラストワンピース、インディチャンプのいる世代になります。
この年、制度の変更はありませんでしたが、価格が一気に跳ね上がりました。
今思えば価格に見合った活躍かもしれませんが、当時はかなり高く感じましたね。
1次満口は26頭です。
この年から実績のボーターも発表されました。
ピラミマの15が実績900万以上というすごい数字でしたね。
1次満口馬も増えたことで落選者も増えましたし、必要実績の発表もあり、それを見て絶望される方も多く、当時は結構荒れた記憶があります。
もうシルクを止めるというブロガーさんも多く悲しかった記憶はあります。
これくらいから今のように落ちて当然、取れなくてもしょうがないという流れになってきました。
それでもブラストワンピースのように売れ残っていた馬からの活躍馬もおり様子見もできましたね。
2017年、この年も制度の変更はありません。
ただ、募集時期が2ヶ月早まりました。
これによってキャロットなどより募集が早くなり、掛け持ちしている人はシルクが終わった後にキャロットがあるので予算を残さねばなりません。
戦略的に予算分配をする必要が出てきました。
1次満口馬は27頭。
必要実績はサマーハの16が1000万、ロザリンドの16が600万とずば抜けた数字となりました。
その後も売れ行きは順調で翌年2月の段階で残っているのはたった7頭。
もう様子見のできるクラブではなくなり、シルクは人気クラブになったと認識すべきだというブログも書きました。
2018年、久々に募集制度が少し変わりました。
抽選部分の最優先が作られたのです。
抽優馬というシルク独自の呼び名のついた制度ですが、シルクも人気クラブになり欲しい馬が1頭も取れないという声に答えての対策だったと思います。
とにかく1頭は欲しい馬を取りやすくするという制度であり、シルクとしても考えた制度だとは思いますが、実績制度には触れなかったこともあり、結局落選する人は落選しますし、以前なら運が良ければ欲しい馬を複数出資できたわけですが、その可能性もなくなりました。
一長一短のある制度ですが、募集馬は増やすのは難しい中で会員数が増えればこうなることは必然であり、その中でどうやるかという難しい状況なのは理解できます。
ただ、この抽優馬は新規の方も使えたこともあり、抽優馬を使って当選するも結局入会しなかった人が多かったのでしょう、キャンセル募集の数がまた増加してしまいました。
これは対策が必要であり、キャンセル募集は抽優馬を使って落選した人を優先するなどにすべきかと思いますね。
この年は、1次満口37頭と半分以上が1次だけで満口になりました。
必要実績はアイムユアーズの17が1000万、アドマイヤセプターの17は800万と上位はやはり桁外れでしたね。
そして、この年なんと全頭完売を達成しました。
以上がシルクが実績制度を導入してから今日までの歴史になります。
同時に私のシルクでの会員としての歴史でもあり、振り返ってみても懐かしい気持ちになりました。
シルクの制度自体はマイナーチェンジこそあれ、大きな変更はあまりありません。
しかし、シルクというクラブそのものを取り巻く状況は大きく変化したのです。
実績制を作った当初は、馬の売れ行きもそこまでではなく売れ残りもたくさんいた状況でした。
少しでもいっぱい買ってもらうために考えた制度だと思います。
しかし、今やG1や重賞を勝つ馬も多数出て全頭満口になる大人気クラブになりました。
売れ行きを気にする必要もなくなりました。
そんな状況ですが実績制度は残っています。
この制度はたくさん買ってくれたら優遇しますよという制度です。
それを信じてたくさん買って実績を積んできた会員さんがいるわけです。
導入するのは簡単でしたが、止めるのは難しいのです。
おそらく実績制は当分なくならないでしょう。
その中でできるとしたら実績制で取れる馬の数の制限、口数の制限を加えるくらいでしょうね。
やっぱり無制限はやりすぎだと思いますが、それでも今までシルクを支えてくれたお得意様を粗末にはできないのだと思います。
今年も実績制に関しては変更はありませんでした。
新規さんが期間内に資料請求しなければ1次募集に参加できないという制限ができたくらいでしたね。
最後に。
何度も言いますが、シルクは500口という多数口の庶民クラブであり、お金持ちを優遇する実績制度とは思想が違います。
40口のサンデー社台が実績制度でやっているのとはわけが違うのです。
しかし、当時の売れ行きの状況もあり実績制度を設けました。
その後、シルクの取り巻く環境が一変し大人気クラブとなりました。
実績制度を作った当時、おそらくこんな全頭完売するような人気クラブなることまでは想定していなかったのだと思います。
制度もそれに併せて少しづつ変えていきましたが実際、環境と制度が合わなくなってきてしまっています。
会員はますます増え、抽選部分の200口に最優先を作ろうと間に合わない状況になっています。
おそらく、今年は抽優馬を使っても落選する人がますます増加するはずです。
高実績者は欲しい馬が取り放題、それ以外は最優先を使っても欲しい馬が1頭も取れないという2極化がどんどん広がるでしょう。
これが健全だとは思えません。
シルクも歴史を見てきたように何もしてこなかったわけではありません。
少しづつ募集方法を変更し苦肉の策を搾り出してきたことは認めます。
ただ、これもそろそろ限界なのかなと感じます。
先ほども書きましたが実績制度はすぐには止められません。
しかし、止める予告はできると思うのです。
3年後に実績制度を廃止しますので、出資する際はご理解くださいなどの予告は可能なのではないでしょうか?
それなら、今まで実績を積んでこられた方も今後は実績を考えずに出資することができますので制度が廃止されても不満は少ないでしょう。
一口馬主クラブは入厩制限もあり募集頭数は増やせません。
しかし、会員はどんどん増加しています。
同じ数の馬をどんどん増えていく会員で取り合う構図がますます大きくなっていきます。
手付かずの実績制度にそろそろ何か手を出さないといけない時期なのではないでしょうか?
私は低実績者です。
当然ながら低実績者としての立場でこの記事を書いています。
立場が違えば見える景色も違うのはわかっています。
それでも、ここまで書いたのはやっぱりシルクは500口のクラブだからなのです。
高額な競走馬を500口という大きな数で分割し、手の出しやすい価格にしましたから出資してくださいねという庶民のクラブなのです。
今までは一握りの高実績者の方をクラブは見ていたのかもしれません。
しかし、振り返って見ると後ろには溢れんばかりの庶民がいるのです。
そろそろ我々のほうを向いてくれてもいいのではないでしょうか。
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