みなさんどこまで興味があるかわかりませんが、レビューの評価ってどうやって書いてるんだろうっていう疑問の一端でもわかればまたそのレビューを読むか読まないかの判断にもなるかと思います。
前回の続きになります。
繁殖能力は産駒成績で見るのが最もわかりやすいです。
例えば産駒が5頭デビューし全部重賞馬となれば仔の期待値も重賞級なので評価Aと簡単に付けられます。
ただ、産駒成績もバラつくことがほとんどです。
2頭走って1頭は重賞勝ち、1頭が未勝利の場合、繁殖能力はどう考えるべきでしょうか。
普通に考えれば平均して複数勝利なので前回の表でいけば評価Bというのが妥当かもしれません。
ただ、それだと実態とは違う気がします。
上位の成績のほうをもっと強く評価したいので、評価B+が適正かと思います。
いくら未勝利馬がいようとやっぱり重賞馬を出した繁殖は繁殖能力が高いわけですから、そこは汲み取りたいのです。
結局こういう細かい調整が入ってくるので難しいですよね。
では、もっと難しいパターンを考えます。
産駒が初仔、もしくはまだ未出走のケースです。
その場合、3の祖母の競争、繁殖成績をまずは見ていくことになります。
祖母は母と比べて繁殖経験も当然長く産駒が多数デビューしている場合がほとんどです。
その産駒実績を元にまずは祖母の繁殖能力を割り出します。
ただ、祖母の繁殖能力=母の繁殖能力ではないのは当然です。
1世代挟むわけですので機械的に1段階落として計算します。
つまり、祖母の競争、繁殖成績を元に祖母の繁殖能力を割り出しそれがB+だったとすると、それを機械的に1ランク落としてC+が母の繁殖能力の暫定値になります。
このように産駒がデビュー済み、または未出走のパターンでまずは繁殖能力の暫定値を出します。
次に母の競争成績を加えていきます。
母の現役時代の成績は繁殖能力とイコールではありません。
名馬は必ずしも名繁殖ならずという言葉もあります。
しかし、現役時代の成績によって繁殖入りできるかできないかが決まっている以上、ある程度の目安になるのは間違いありません。
ただし、未勝利で繁殖入りしてるから減点かと言えばそうとも言えないでしょう。
怪我で引退した場合も多く、未勝利でも繁殖入りしている馬は良血の場合がほとんどですしね。
なので、母の競争成績は加点要素ではあるが減点する類のものではないと考えます。
ただし加点しすぎてもいけません。
G1馬の繁殖牝馬の仔が総じて期待値が高くなってしまい評価AやSばかりになってしまいかねません。
私はまず繁殖能力の暫定値とその母の現役時代の最高成績を比較します。
その時、暫定値が最高成績よりも低い場合に加点していくことにしています。
まだ産駒成績には表れていないポテンシャルを競争成績から判断して加点する感じですね。
BとB+の差を0,5点という感覚だとすると、重賞馬で0,5点、G1馬で0,8点くらい加点するイメージですね。
OP馬で0,3点、G1を複数勝利馬とかだと1点加点とかでしょうか。
つまり、産駒成績から出した繁殖能力がBだった場合、母が重賞馬だったら加点してB+になるイメージです。
今まで感覚でやってきた部分をこうやって数値化するのは難しいですし、まだ曖昧だとは思います。
それでも、なんとなくでも基準として明示できたらと思います。
ただ競争成績の評価に関しては他にも難題があります。
繁殖牝馬は海外から輸入してきた馬も多く例えばアルゼンチンのG1馬とか判断しにくい馬も多々います。
この競争成績をどう判断すべきなのか。
私は現状G1もG2も日本だろうと欧州だろうと北米、南米だろうと全部一緒で計算しています。
この辺の微調整はもっと海外競馬に詳しくなってきたらできるかもしれません。
ここに次は近親の競争成績を加味していきます。
具体的には母の姉妹の繁殖成績ですね。
母の姉の産駒にG1馬がいるなどというケースです。
これを全く無視するのは正しい評価ではない気がしますよね。
なので、一応参考にはしますが評価を1ランク上げるほどではないという感じですね。
この場合、母と姉が全兄弟だった場合、少し加点を増やすイメージです。
どちらにしても直接母の繁殖能力の評価ではないので、母の産駒が未出走などの場合に母の姉の繁殖成績も参考にするという感じですね。
ここを掘り下げすぎるときりがなくなるので、さらっと見て判断したい部分ですね。
最後に種牡馬になります。
これが1番やっかいですよね。
私は大前提として種牡馬入りした馬は基本的には繁殖能力を引き出してくれる存在であると思っています。
なので、種牡馬によって血統評価を大きく変動はさせていません。
そうしないとディープインパクト産駒は全部が期待値が上がって血統評価Sばかりみたくなってしまうからです。
実際はそんなわけはないので実情に合わせなければなりません。
私が重視しているのは相性です。
これもものすごく漠然としているのですが、基本的に全兄弟の成績はかなり重視しています。
相性を見るのに最適だからです。
ただ全兄弟はそんなにいるわけではないので、同じ系統の種牡馬をつけたときの成績を見ています。
サンデー系(ディープ、ハーツ、ダイワメジャー)、キンカメ系(キンカメ、カナロア、ルーラー)、欧州系(ハービンジャー、ノヴェリスト)などですね。
例えばキンカメ産駒の兄が重賞を勝っている場合、今回の仔がカナロア産駒だった場合、相性が良さそうと判断するという意味です。
生産者の種付けの経緯を見てもそういう意図が感じられる場合も多く、そこは加点しても良いでしょう。
次に結果のあまり出ていない種牡馬は減点します。
そんなにいないのですが、今年のシルクで言えばエイシンフラッシュやトーセンジョーダンは減点しました。
そして、牡馬と牝馬で成績に差のある種牡馬の場合、成績の悪い性別は減点します。
キンカメ牝馬、スクリーンヒーロー牝馬、少し前ならステイゴールド牝馬なども減点しましたね。
最後にダート系種牡馬の牝馬も減点しています。
やっぱりダート牝馬は基本的には不利で活躍の馬も狭いので減点材料です。
以上で血統評価の出し方の説明になります。
まずは、産駒成績や祖母の繁殖能力から母の繁殖能力を割り出します。
そこに母の競争成績、近親の成績などで加点していきます。
最後に種牡馬の相性、能力、性差などを検討して加点減点します。
こうやって出た数値が【血統評価】になります。
これを今までは私の頭の中でやっていたのですが、今回できるだけ定義づけして基準をわかりやすく文章化しました。
まだまだ曖昧な部分も多いのですが、おそらくこれ以上は難しいですね。
私が血統評価を書いているとき、1頭1頭こういうことを頭の中で考えながらやっているということです。
最後に例題を見てみましょう。
まずは、産駒がそれなりの頭数がいる場合。
・レーヌドブリエ(メジロドーベルの12) 父ゼンノロブロイ
まず産駒成績を見ると2勝が1頭、1勝が2頭、未勝利が1頭。
産駒成績から出る暫定期待値は勝ち上がり以上くらいなのでC+となります。
そこに母の競争成績はG1を5勝なので加点1、2くらいを考えて2段階上がってBとなります。
近親にすごい活躍馬はいないのでそのまま。
種牡馬ゼンノロブロイは加点するほどではなく、サンデー系の相性も特に加点はありませんのでそのまま。
よって【血統評価】B となります。
つまりメジロドーベルの12は血統的には2勝以上期待し得るポテンシャルがありますよという評価になります。
そこに【馬体評価】を掛けて実際の【総合評価】を出して判断していくことになります。
次は産駒がまだ少ない場合です。
・ロッテンマイヤー(アーデルハイトの13) 父クロフネ
産駒成績は姉のラダームブランシェが勝ち上がったくらいの時期でこれ一頭でわかりません。
なので祖母ビワハイジを参考にすることになります。
ビワハイジはブエナビスタや重賞馬多数の名繁殖で繁殖能力は文句なしのA+。
そこから1段階さげてB+というのが母の暫定の繁殖能力になります。
母アーデルハイトは未勝利なので加点なし。
近親の活躍は先ほどの祖母のところで判断済みなので加点なし。
種牡馬クロフネは良い種牡馬ですが相性も未知数なのでそのままにします。
よって【血統評価】B+となります。
つまりアーデルハイトの13は血統的にはオープン勝ちを期待し得るポテンシャルがありますよという評価になります。
そこに【馬体評価】を掛けて実際の【総合評価】を出して判断していくことになります。
以上で【血統評価】部分に関するレビュー改革と説明を終わります。
次回は【馬体評価】と【総合評価】を改革していきます。
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