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まーくの一口馬主と競馬の日々

一口馬主、競馬予想など競馬に関して書いていきます。シルク、キャロット、広尾のホームページ情報の転載許可を受けております。

藤田伸二の引退とエージェント制度の問題点

藤田騎手が突然引退を発表した。
最近の言動を見て近いうちに引退するんだろうなとは思っていたけど本当に突然だった。
昨日ジョルジュサンクという結構将来楽しみな2歳馬に乗って勝っていたので余計に驚いた。
藤田は、少し前に「騎手の一分」という本を出し話題になった。
競馬の色々な部分に本音をぶつけた本だった。
競馬界そのものからJRA、社台、ノーザン、トップ騎手、馬主など様々な問題に触れ批判もしている。
こんなこと書いたら乗せてくれる人も減るのは承知の上だったんだろう。
当然成績も低迷した。
あの本を出した時点でもうこの日を想像していたんだろうと思う。

そんな彼が引退のメッセージで1番強調していたのはエージェント制度についてだった。
エージェント制はあまり表に出てこない。
JRAが正式に認めたのも結構最近だし、毎年少しづつ変わってきている。
エージェント制とは、簡単に言えば騎手が代理人を選んで騎乗依頼を受けたり調整したりしてもらうことだ。
それ自体は何の問題もないし、騎手も忙しいのでそういう事務作業的なものは他の人に任せていい。
ただ、実際は色々な問題がある。

・エージェントのグループ内での騎乗馬の融通
藤田が1番問題視しているのはこれだろうと思う。
エージェントは一人で基本的に3人の騎手の代理人を務めることができる。
有力ジョッキー3人を受け持っているエージェントがいたとする。
調教師がこの馬をA騎手に依頼したいと言ってきたとする。
しかし、A騎手はその日違う競馬場で乗るので無理なので、B騎手はどうでしょうか?
B騎手も一流騎手なので、じゃあB騎手でとなる。
それが普通になると、もう騎手を指定する必要がなく、エージョントに3人の誰か乗せてくれればいいという依頼になっていく。
そして、エージェント同士も繋がりがある。
同じ競馬新聞で働くエージェント同士でも融通するようになると3人が6人、6人が9人で騎乗馬を融通し合える。
そうなればもう、そのグループに頼んじゃえばどんな開催地の何レースだろうとそれで済むのだ。
武豊のように騎手一人でエージェントも一人のような人間には不利になる。
武豊がどんなにすごい騎手でも、毎回乗れるわけじゃなく、乗れないときに他を探さなければならないのだ。
その手間がエージェントグループにはないのだ。
藤田が本でもメッセージでも言っているのはそこである。
もうリーディングは騎手の実力じゃないというのはそのことを言っている。
わかりやすく言えば「武豊 or 誰か未定」と「岩田 or 福永」どっちに頼むかということだ。
武が乗れない場合に誰が乗るかわからないほうと、岩田にも乗ってもらえるし最低でも福永には乗ってもらえるならどちらに依頼するだろうか?
そこにあるのは個々の騎手の実力比較ではないのだ。

・エージェントの資格
これは藤田が言っているわけではないが、そもそもエージェントになっている人間に問題がある。
ほとんどの場合が、競馬新聞の記者がやっている。
毎日のように厩舎に出入りしており、調教師との繋がりも強い。
矢作厩舎のドキュメントでも見たが、記者が想定など調べて出走レース選択の検討を一緒にしていた。
そんな記者がエージェントもやっているので、先生から依頼もきやすいのは当然だ。
ただ1番の問題は、それほど深い関わりのある人間が競馬新聞で予想を発表して馬券も買ってるという事実だ。
調教師も騎手も馬券は買えないのに、調教師を騎手を繋ぐエージェントは馬券も買えるし予想まで新聞に書いている。
そこに公正な競馬などあるのだろうか?

実は数日前に突然JRAがエージェントの一覧を公表した。
http://www.jra.go.jp/datafile/meikan/agent.html
藤田の引退のメッセージでエージェント批判があることを察知していたかのような動きだ。
しかも、エージェントの悪名をある意味引き受けていた小原の名前が無くなっている。
なぜなのかはよくわからないが、表からは引いて裏で回しているのだろうか?

藤田の今回の引退でエージェント制度についてまた表で議論が巻き起こると思う。
エージェント制度はおそらく無くならないし、あったほうがいいと思う。
問題はそのなり手とやり方だ。
エージェントは、基本的には一人につき一人が原則であるべきだし、最大でも若手一人加えて二人までにすべきだろう
グループ内の融通は今でも禁止だかもっと厳格にすべきだ。
エージェントは、騎手や調教師同様、予想は発表してはいけないし馬券も買ってはいけないようにすべきだ。
これくらいはすぐにでもすべきだろう。
藤田は誰よりフェアプレーを大事にした騎手だった。
フェアではない現在のエージェント制に我慢ができなかったのだろうか。
シルクと藤田・・・最近はノーザンとの関係もあるので乗っている記憶がない。
しかし、誰もが思い浮かぶのはシルクジャスティス。
最後まで正義を重んじた騎手だった。
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[ 2015/09/07 04:20 ] 競馬雑記 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

まーく

Author:まーく
シルク、キャロット、広尾に入会し一口馬主をしています。
【一口馬主スタイル】
血統ロマン・・名馬の子、名繁殖の系統、何々の弟、夢の配合など物語のある馬を重視します。

順調度・・無事是名馬。良血、好馬体でも無事に走れなければ意味が無いですし、調教が順調にできている馬を優先。

馬体・・基本的に大きくてボリュームがある立派な馬体が好きです。

価格・・年予算30万程度で7頭前後に出資を目安に低予算でやっています。

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