シルクのアストラエンブレム、金子氏のイモータルが人気を二分する中、勝ったのはブレイブスマッシュだった。
この馬がとにかくすごい。
父トーセンファントム、母トーセンスマッシュ、その父トウカイテイオー、サンデーサイレンスはもちろん、他にノーザンテーストにリアルシャダイにトニービンまで入っている。
そういう血統の歴史もそうだが、やっぱり気になるのが父トーセンファントムだろう。
トーセンファントムは、重賞を勝っていない。
唯一勝ったのは、今日のサウジアラビアRCの前身のいちょうSだけだ。
G1を勝っても種牡馬になれない馬も多く、あのウインバリアシオンでさえ種牡馬になれないのではということもあった。
そんな中、この程度の成績で種牡馬になったのははっきり言えば馬主であるトーセンで御馴染みの島川さんの個人趣味である。
そして、実際種付けしたのは、1頭以外は自分の牧場であるエスティファームのみ。
しかも、20数頭と結構な数をつけた。
それが今の世代である。
今日重賞を勝ったブライブスマッシュに5着にきたハレルヤボーイもトーセンファントム。
牝馬でも既にOP勝ちしているマシェリガールもいる。
はっきり言って大成功といっていい成績だ。
自分専用の種牡馬で自分の牧場でしか種付けせずに活躍馬を多数出す喜びがそこにある。
そして、そこにはおそらくこの種牡馬を成功させたい思いがある。
最初は自己生産ばかりでも活躍馬を出すことで他の牧場でもいっぱい種付けしてもらおうという思いがあるはずだ。
たぶん、トーセンファントムの種付け数は来年急増すると思う。
それによってまた活躍馬も増えてきたらそれこそ最高に楽しいんだろうなと思う。
そして、それだけではない。
ブレイブスマッシュ 父トーセンファントム 母トーセンスマッシュ
マシェリガール 父トーセンファントム 母トーセンバスケット
ハレルヤボーイ 父トーセンファントム 母トーセンミネルバ
母の名前を見て欲しい。
すべてトーセンの冠名。
つまり、繁殖も元々自分の競走馬。
これそこオーナーブリーダーの完成系と言えるのではないだろうか?
もちろん、この成功はたまたまではない。
トーセンさんは、セレクトレールなどで高額馬を買いまくることでも有名だ。
そして、高い馬をいっぱい買うわりに成績があまりよくないというのも有名だ。
ただ、確かに走る成績は悪かったとしても、高い馬はそれだけ良血であることが多い。
つまり、良血の繁殖牝馬がどんどん集まっているのである。
なので、実は繁殖の質がかなり高いのだ。
それらの良質の繁殖にトーセンダンス、トーセンファントム、トーセンブライトなどのマイナー種牡馬をつけてこれだけの成績だ。
個人種牡馬ではないが、今後トーセンホマレボシ産駒もたくさん出てくる。
ディープ牡馬ではキズナの次に最高賞金のトーセンラーは満口だそうだし、、ジャンポケの後継として期待されているトーセンジョーダンも100頭以上の種付けで既に各所で人気になっている。
そういう種牡馬ももちろん、自己生産牧場であるエスティファームでもいっぱいつけるだろう。
まさに、ダビスタやウイニングポストの世界を楽しんでいる。
お金はかかるんだろうけどやってて楽しそうだなぁと思う。
種牡馬になれるような成績でなくても種牡馬にし、成績がいまいちでも繁殖にし、自分の牧場で大事に生産にまわす。
そして結果も出す。
そこに見えるのは馬への愛情。
ものすごく応援したくなるのはそれが感じられるからだろう。
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